羽田酒造 蔵見学とぼたん鍋
3月12日、アンワイン会と大阪国際サイエンスクラブのメンバーから参加者を募り、羽田酒造へ酒蔵見学に行きました。羽田酒造は私が大丸・松坂屋各店での試飲販売をお願いしていた酒蔵で、取締役の水谷さんとは私が酒販店を自営していた30年前からのおつきあいです。
午前9時20分京都駅のJRバス停で集合。
9時30分発の周山行きのバスに乗り込みました。バスに揺られて約1時間30分、11時ごろ到着、バス停に水谷さんが迎えに来て頂いていました。よく晴れているのですが風がとても寒い日でした。
蔵の3階で水谷さんから蔵の歴史、かつて京都で栽培されていた酒米『祝い』を復活させた苦労話などを聞いてから蔵見学に向かいます。『祝い』と言うコメはほとんど絶滅していたのですが、ほんの少しですが羽田酒造は栽培を続けていたのです。現在は京都の36社がこのお米でお酒を造っています。
京都の仕込み水は伏見の軟水が有名ですが、ここ周山は中硬水だそうで、その井戸と、「祝い」を蔵人が植えているという田んぼを見せて頂きました。
蔵に入り、甑(こしき=酒米を蒸すところ)や放冷機、酒造タンクを順番に拝見していると羽田社長が来られ、水谷さんからバトンタッチして説明されました。
麹造りや切り返し(固まった麹をほぐすこと)、酛場(もとば=酒母を造るところ)、瓶詰め場などの日本酒が出来るまでの工程を説明して頂いた後、いよいよ試飲&ぼたん鍋です。
お食事は、ふきのとうの前菜や子持ちアユのてんぷらなど、心づくしのお料理が出てきました。京都らしく、日本酒で乾杯をした後、蔵自慢のお酒が次々と出てきます。蔵でしか飲めないしぼりたての原酒を飲まれている時は、特に皆さん「にこにこ」満足の様子でした。
こちらのぼたん鍋は、しぼりたての酒かすがベースになっている独特の鍋で、ほのかに香る酒粕の香りと、イノシシのコクのある旨味が絶妙で、私も初めて食べた時は感動を覚えました。イノシシは地元の名人が撃ったもので絶品です。猪肉を入れる前に根菜類をじっくり煮込んであり、野菜の滋味深い旨味が溶け込んだ中での猪肉はたまらない味わいです。ここの蔵見学は3年目ですが、実は、3回とも参加している方はこのぼたん鍋が目当てです。
2時間余りの食事で、皆さんはほろ酔い加減に。初参加の方が、メンバーの以前勤務していた会社の先輩だった事がわかったりして、世間の狭さに驚き、会話も大変盛り上がりました。
それぞれお気に入りのお酒をお持ち帰り用として注文し、蔵が用意して頂いたおみやげのお酒と酒かすをいただいて大満足でした。
来年は二条駅までマイクロバスで送迎して頂けるそうで、蔵見学の後、萱葺きの里『美山』などの見学も企画してくださるそうです。
帰りもバスに揺られながらの楽しい一日でした。