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ワインの通信販売・ワインセミナー講師「ワインコンシェルジュまこと-ワインの数だけ物語がある-」

ドイツワインの瓶の形

ドイツワインの瓶の形と言えば、皆さんすらっとした細長い瓶が思い浮かぶと思います。
瓶の色は、緑色と茶色の2種類が一般的に使用されていますが、私がワインの勉強を始めた頃は(もう40年ほど前ですが)、緑色の瓶はモーゼル地方で、茶色の瓶はライン地方と習いました。
ところがライン地方のワインなのに緑色の瓶に入っているものを見つけ、驚いたことがあります。

このワインについて詳しく調べてみると、モーゼルのワイン生産者が、ライン地方にもぶどう畑を持っていたため、出来上がったワインを、わざわざライン地方の茶色い瓶を購入して瓶詰めするのではなく、いつも使っている緑色の瓶に詰めていたのです。
実は、モーゼル地方は緑色の瓶、ライン地方は茶色の瓶を使用するというのは、習慣的に色分けしていただけで、法律などの根拠はないということがわかりました。

ドイツワインの瓶といえば、もう一つ独特なものに、フランケン地方などで使われている、「ボックスボイテル」と呼ばれているものがあります。
瓶 「ボックスボイテル」は正面から見るとイチヂクのように下は丸くて、上の口は細い形をしており、横から見ると奥行きのない薄っぺらい形の瓶で、ドイツのワイン法のQ.b.Aと呼ばれる上級ワイン以上の格付けワインにだけ使用が許されます。
こうした特徴のある瓶は、私は伝統的な感じがして良いと思うのですが、ワインショップの立場からは、幅が広すぎて普通のワインの2本以上の場所を取りますし、また、ギフトにする時も専用のギフト箱を取り寄せなければならないので、とても扱いにくいのが本音です。
最近は、フランケンの生産者の中でも、販売者に扱ってもらいやすいように、ボルドータイプの瓶を使用するところも出てきていますが、伝統的な瓶形が無くなっていくのは少し寂しい気がしますね。
現在はEUの規定で、ドイツ以外の国では、「ボックスボイテル」にワインを詰める事は禁止されています。ただ、よく似た形のポルトガルの「マテウス」は使用が例外的に認められていますが、「ボックスボイテル」と呼ぶことは禁止されています。

カテゴリ: 投稿日:2016-07-25