わいわいワイン会
テーマブルゴーニュワイン
2016年2月19日新しい方は数人という、ほとんどの方が顔見知りの中、和気あいあいの雰囲気で「わいわいワイン会」が始まりました。 テーマは『ブルゴーニュ』でスパークリングワイン、白ワイン2種、赤ワイン2種、デザートワインの計6種を用意しました。
ワインリスト
- スパークリングワイン
- ☆クレマン・ド・ブルゴーニュ テロワール・ド・シャゾ
- 白ワイン
- ☆エルヴェ・ケルラン アリゴテ
- ☆ルイ・ラトゥール ボーヌ 1er レ・ゼグロ2000
- 赤ワイン
- ☆ベルナール・ドラグランジュ ブロゴーニュ・ピノノワール2004
- ☆ドルーアン・ラローズ ジュヴレ・シャンベルタン2012
- 甘口ワイン
- ☆シュロス・ラインハルツハウゼン エアバッハ・マルコブルン
- リースリング シュペートレーゼ 1989
最初のスパークリングワインは、コートドール(黄金の丘)の南半分コート・ド・ボーヌのサントーバン村にある単一畑「シャゾ」のぶどうのみで造られた「クレマン・ド・ブルゴーニュ」、個性豊かでコクのあるタイプで、皆さん一同に美味しいと称賛の声が上がりました。
コート・ドールは、ブルゴーニュの特級畑が集中する銘醸地で、まさに「黄金の丘」。
ロマネコンティで有名なヴォーヌ・ロマネ村がある北側のコート・ド・ニュイ地区と、モンラッシェやムルソーで有名な南側のコート・ド・ボーヌ地区に分けられます。
コート・ド・ボーヌ地区の中でもサントーバン村は、シャサーニュ・モンラッシェ村、ピュリニー・モンラッシェ村、ムルソー村の名だたる畑に隣接している村であるのに、比較的安価なため、非常にコストパフォーマンスの良い村として注目されています。
つづいて白ワインです。
ブルゴーニュの白ワイン用に栽培されているぶどうのほとんどがシャルドネ種です。
他に少しだけアリゴテ種が栽培されています。
ところが最近ピノ・ブランを少しだけ植えているという醸造所の情報が入り、「シャルドネとアリゴテの2種類だけではなかったのか」と不思議に思っていました。
その疑問が解決したのが、先日イタリアのアルト・アディジェ地方のワインセミナーに行った時です。そのセミナーで聞いたのは、イタリアでピノ・ブランとして栽培していたぶどうの一部がDNA鑑定の結果、シャルドネだった事がわかりピノ・ブランの栽培面積が減少したという話でした。
逆に、ブルゴーニュではシャルドネだと思って栽培していたぶどうの一部がピノ・ブランだったということだったのです。
そのため、ブルゴーニュでは、シャルドネとアリゴテの2種類だけかと思っていたのが、一部ピノ・ブランも栽培されるようになった・・・、というよりは「栽培されていた」ということだったのです。
当日は、ブルゴーニュの代表的なぶどう2品種、アリゴテ種とシャルドネ種のワインを同時に飲み比べをしました。
アリゴテはカクテル「キール」のベースになるワインで、酸味がきいた辛口です。
アリゴテ種から造られたワインはラベルには必ずアリゴテと表示する義務があります。
ただ例外として、シャロネーズ地区のブーゼロン村は高品質なアリゴテ種のワインが出来るので、独自のAOC(原産地呼称)が与えられており、「ブーゼロンと表示されているワイン=アリゴテ種のワイン」なのでアリゴテと表示しなくてもよいのです。
アリゴテ種のワインは他の品種のワインとブレンドすることは許可されていません。
アリゴテは生産量も少ないのですが、ブレンドも許されず、肩身が狭いようです。
用意したルイ・ラトゥールの「ボーヌ 1er レ・ゼグロ」は2000年ヴィンテージで、15年の熟成を経たなかなか飲む機会の少ない古酒です。
古酒の風格を持ちながら、骨格のしっかりした味わい深いワインでした。
ルイ・ラトゥール社はコルトン・シャルルマーニュの生みの親として有名です。
1870年頃、フィロキセラ(ぶどう根アブラムシ)の被害で荒れ果てたコルトンの丘にピノ・ノワールの替わりにシャルドネを植えてあのコルトン・シャルルマーニュを完成させていったのです。
赤ワインも2種類、同時に飲み比べをしました。
どちらもピノ・ノワール種から造られたワインですが、1本目のワインはブルゴーニュ地方としか名乗れない(村名や畑名のない)ポピュラーなワイン。2本目は村名(ジュヴレ・シャンベルタン)を名乗ることが許されたワインです。
フランスに限らず、一般的にはワインの表記で地域を限定されたり、畑名が付いているワインの方が、レベルの高いワインと考えられます。
たとえば、【お手軽ワイン】ブルゴーニュ地方<コート・ド・ニュイ地区<ジュヴレ・シャンベルタン村<特級畑シャンベルタン【高級ワイン】。もちろん例外もありますが・・・。
1本目のワイン、ベルナール・ドラグランジュは豊富な在庫を誇り、ドメーヌでワインを十分熟成させてから出荷しています。このワインは2004年ヴィンテージで、少し熟成したピノ・ノワールの乾いた木の香りが素敵なワインでした。
2本目のワイン、ドルーアン・ラローズはジュブレ・シャンベルタン村の名門です。
ワインは色調も濃く、収量を抑える栽培法で育てられた、ミネラル豊かなぶどうから造られていることが分かる、凝縮感のあるワインに仕上がっています。深みのある香りと余韻の長い味わいで皆さん絶賛でした。
最後のデザートワインは26年熟成したドイツワイン、プロイセンの皇帝用のワインを造っていたラインハルツハウゼン醸造所のマルコブルン(マルコの泉)と名付けられた単一畑のワイン。
蜂蜜の香りの素晴らしい味わいのワインでした。ただコルクが弾力をなくしていて、ぼろぼろで、ガンバって抜栓したのですがコルクかすを茶漉しでこす始末です。それでも皆さんとても喜んで頂きました。